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arrowsやらくらくホンのFCNTが倒産!? スマホのアフターサポートはどうなる?修理は可能?

arrowsやらくらくホンのFCNTが倒産!? スマホのアフターサポートはどうなる?修理は可能?

2023年5月30日付で、FCNT株式会社が民事再生を申請しました。

FCNTは、「arrows」や「らくらくホン」のメーカーです。
2022年通年の国内スマートフォン市場シェア3位であり、これらのスマホを使用している人も少なくないと思います。
特にユーザーにとっては衝撃的なニュースだったのではないでしょうか。

本記事では、FCNT倒産に関する情報を整理しつつ、修理をはじめとするアフターサポートについてまとめていきます。

FCNT株式会社が倒産

FCNT株式会社は、「arrows」や「らくらくホン」「らくらくスマートフォン」のメーカーです。
前身は「富士通コネクテッドテクノロジーズ株式会社」という会社で、富士通グループにおける携帯電話事業を担っていました。
その後、2021年4月に富士通は携帯電話事業から撤退。
富士通グループから抜け、「FCNT株式会社」として事業を継承しました。

arrowsの最新機種は2023年2月10日発売。
新モデル発売から数ヶ月でメーカーが倒産という事態となりました。

グループ3社の負債総額は1431億円

現在のFCNTは、ポラリス・キャピタル・グループの100%出資会社で、持分会社REINOWAホールディングス株式会社とその100%子会社であるジャパン・イーエム・ソリューションズと3社でREINOWAグループを形成しています。
帝国データバンクによると、負債額は3社合計で1431億600万円にものぼるそうです。

帝国データバンクを見る

倒産の要因は?

FCNTは2022年のスマートフォン市場で国内3位のシェアを誇り、年間の売上高も800億円以上ありました。
販売自体は好調といえ、2023年2月には新機種「arrows N」もリリースしています。
今回、突然の倒産というような事態になってしまったのはなぜなのでしょうか。
主な要因として、下記の3つが挙げられています。

iPhone乗っ取りの確認方法

  • コロナ禍による販売の伸び悩み
  • 廉価モデル志向による販売単価の低下
  • 円安と半導体不足による仕入れ価格の上昇

2023年に入り、ようやく元の生活に戻り始めていますが、2020年に始まった新型コロナウィルス感染拡大は、端末の販売にも少なからず影響しています。
度重なる緊急事態宣言により、携帯電話ショップは営業時間の短縮や一時休業を余儀なくされました
Arrowsやらくらくホンは、iPhoneなどのようにメーカーから直接販売はされておらず、キャリアを通して購入することになります。
キャリアのオンラインストアで購入することも可能ではありますが、店頭販売の機会が減ってしまったのは大きな痛手といえるでしょう。

またスマホの販売は、2019年10月の電気通信事業法の改正により、通信サービスの継続利用を条件とする値引きが禁止されました。
一方、通信サービスとの単純なセット販売は可能で、値引き額に2万円(税込で2万2000円)という上限が設けられました。
この結果、値引きによってほとんど無料で購入することができてしまう2万円ほどの安価な端末が、多数登場することになります。
FCNTも税込22,000円の「arrows We」をリリースし販売は好調でしたが、「arrows N」などのミドルレンジのモデルは値引きをしても魅力的な価格として売るのが難しかったのでしょう。
販売数自体は悪くないものの販売単価が低下し、売上が伸び悩むことになってしまったようです。

世界的な半導体不足と円安の進行も大きな問題です。
コロナ禍とウクライナ危機によって急激に拡大し、様々な業種に影響を及ぼしています。
FCNTは国産のスマートフォンメーカーであり、双方の影響をまともに受け、大幅な仕入れ価格の上昇につながってしまったものと思われます。

いずれもここ数年の社会情勢が大きく表れた格好といえます。

スマホ・通信のセット販売の規制を見直し?

今回のFCNT倒産を受けて、スマホの値引き販売の規制を見直す案が検討されています。

現状問題とされるのが、通信サービスとセットではないスマホ単体の販売時の値引きが規制対象外ということです。
端末自体は上限なしで値引きできるので、端末本体の値引きと通信サービスとのセット割引2万円とを組み合わせて、「1円」などの実質無料といえるような価格でのスマホ販売が多数行われています。
このような理由付けとしている以上、端末単体での販売時にも同様の値引きが適用されなければいけませんが、販売店としては通信サービスを契約してもらわなくては利益が出ません。
そのため販売店によっては、端末のみの購入を希望する場合には、在庫切れを装うなどして販売を拒否するというようなことが起きているようです。
加えて、安価なスマホ販売はいわゆる「転売」が横行する要因ともなっており、ユーザー間で購入価格に公平性がない状態を生むなど、適切にスマホを販売することが難しい状態となっていると言えます。

そこで、端末単体の販売時の値引きにも規制を適用する、また通信サービスとのセット販売の値引きの上限を4万円に引き上げるなどの変更案が検討されています。

総務省の資料を見る

 

FCNTスマホの今後

FCNTスマホは、今後どのような展開になるのでしょうか。
利用しているユーザーも少なくないと思いますので、こちらも整理をしていきます。

「arrows」「らくらくスマホ」の販売自体は継続

FCNTのプレスリリースでは、スマホの製造・販売事業については継続が困難な状況とされており、速やかに事業を停止するとしています。
ただ在庫があるためか、各キャリアとも販売を継続しているようです。

「arrows」「らくらくスマホ」の修理は可能

現時点では、キャリアショップで修理可能となっています。
各キャリアとも、ユーザーのフォロー・アフターサポートを行う必要があるはずですので、しばらくは実施されると思われます。
当面は安心して使用できると考えてよいでしょう。

モバイル保険でも引き続き補償

モバイル保険で、FCNTスマホの故障に備えているユーザーもいるのではないかと思います。

モバイル保険はメーカーが修理を行っていないものは補償対象外となっていますが、現時点ではキャリアで修理を継続している状態です。
よって、これまで通り補償対象となりますので、安心して利用してください。

まとめ

長年続いたスマートフォンブランドの突然の倒産という、衝撃的な事件についてまとめました。
これにより、国内のスマートフォンメーカーはシャープとソニーの2社を残すのみです。
iPhoneを始め海外のスマホは魅力的ですが、国内のメーカーにも頑張ってほしいところですね。

この記事を書いたライター

モバイル保険 メディア編集部

万が一のスマホの故障に備えるモバイル保険を広めるため、鋭意ブログを執筆中。「Enjoy Your Mobile Life」をモットーに、スマホをより便利に使うための情報を発信していきます。

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