iPhone 16eは買うべき? iPhone 16との違いを徹底比較します!
- 2025年03月25日
- iPhone
2025年2月末に、iPhone 16eが新登場しました。
今までにない「e」シリーズ、どのようなモデルなのでしょうか。
本記事ではiPhone 16eとiPhone 16を徹底的に比較していきます。
どちらを買うべきか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
新登場の「e」シリーズ
iPhoneは、通常毎年9月にフラグシップモデルをリリースしています。
1年に1度のペースでアップデートが行われており、現在の最新が2024年9月発売のiPhone 16シリーズとなっています。
フラグシップモデル以外に展開されているiPhoneが、iPhone SEシリーズです。
iPhone SEシリーズは2~3年ペースで新しいモデルが発売されており、全てのモデルが春頃に発売されています。
最後に登場したのが2022年3月発売のiPhone SE(第3世代)であったため、2025年春は後継機が出るタイミングとして可能性は濃厚で、iPhone SE(第4世代)の登場が期待されていました。
そんな中で登場したのが、iPhone 16eです。
iPhone 16eとiPhone SEシリーズの後継機?
iPhone SEシリーズは、いわゆる廉価モデルにあたるモデルです。
数世代古いモデルをベースとしており、フラグシップモデルよりも性能は劣るものの、iPhoneの基本的な機能は十分に活用できるモデルでした。
近年のスマホは高額化しているため、そこそこの性能で十分というユーザーが安価でiPhoneを利用できるということで一定の愛用者がいました。
前述の通り、後継機が出るとすれば2025年春は頃合いで、リークなども元々はiPhone SE4の情報として流れていました。
実際にはiPhone 16eとして発売されましたが、これによってiPhone SE3の発売が終了となったことを踏まえれば、iPhone 16eがiPhone SEシリーズに相当する立ち位置のモデルであることは間違いないでしょう。
ただiPhone SEの後継機というには異なる点が多すぎます。
ホームボタンなどのiPhone SEならではの特徴もなくなってしまったため、iPhone SEの流れを汲んだデザインや仕様はほぼないといって差し支えないほどです。
iPhone SEは、iPhoneというAppleが展開するスマホシリーズ全体における廉価モデルで、「安いiPhone」といえるモデルでした。
これに対しiPhone 16eは、その名称通りあくまで最新のiPhone 16シリーズに名を連ねるモデルで、いうなれば「安いiPhone 16」であるといえそうです。
なぜ「iPhone 16e」なのか
iPhone 16eが、iPhone SEシリーズのように独立したシリーズではなく、iPhone 16シリーズの1モデルとしてラインナップされたのはなぜでしょうか。
ここには、「AIの活用」というテーマが今後のiPhoneの進化における軸であることが表れているように感じられます。
iPhone 16シリーズがどのようなシリーズかといえば、iPhoneにおけるAI活用の初代シリーズです。
正確にはiPhone 15 Pro・iPhone 15 Pro Maxも対応していますが、iPhone 16シリーズはApple Intelligenceという新たな機能を利用できます。
AIを活用して様々な機能の性能や仕様がアップデートされ、これまでにないユーザー体験が可能になるとされています。
リリース後しばらくは英語のみの対応でしたが、2025年4月初旬には日本語も対応予定です。
現時点での使用感は未知数ですが、たとえばSiriなどは、Apple Intelligenceに合わせて1からデザインが作り直されているようです。
メールや通知といった既存の機能にも盛り込まれ、アプリ間での連携も図られているなど、これまでのiPhoneとは全面的に異なるのではないかとすら感じられます。
Apple Intelligenceは、今後のiOSというソフトの根幹を担う機能だといっても差し支えないかもしれません。
極端な言い方をすれば、今後最新のiPhoneを利用するのであれば、Apple Intelligenceに対応していることが必要なのです。
安価なモデルだとしても、新しく発売する以上は、Apple Intelligenceに対応するモデルでなければなりません。
そのためにはiPhone 15以上の性能が必要であり、廉価モデルというには無理があります。
さらにiPhone 16シリーズとしてリリースすることで、Apple Intelligenceに対応するモデルであることを示す意図もあるように思います。
言い換えれば、iPhone 16シリーズをAI時代のiPhoneと位置づけたのかもしれません。
価格の比較
iPhone 16eは、手に入れやすい安価なモデルとしてリリースされました。
いうなれば、iPhone 16eの最も大きな特徴は安いことです。
iPhone 16と比較してどの程度の価格差があるのでしょうか。
iPhoneはメーカーであるAppleで購入できるSIMフリーモデルのほかに、各キャリアでも購入することができますが料金が異なります。
キャリアでの購入はSIMフリーモデルよりも数万円単位で高くなるので、定価で購入すると大きく損してしまうことになります。
キャリアで購入するのであれば、各キャリアが展開しているキャンペーンや購入補助プログラムを活用して、オトクな買い方にしたいところです。
iPhone 16eのストレージ容量は、iPhone 16と同じく128GB、256GB、512GBの3種類です。
SIMフリーモデルの場合は、iPhone 16とiPhone 16eで各容量ともに25,000円の差となっています。
決して小さい差ではありませんが、現在では販売終了となったiPhone SE3の128GBは69,800円でiPhone 16よりも5万円以上も安く買うことができたことを考えると、少々物足りない差額といえます。
性能差が小さいと見れば、上位のモデルとなるiPhone 16を選ぶということも十分にありえるでしょう。
キャリアモデルの場合は、iPhone 16とiPhone 16eの差額も大きくなります。
容量によっても異なり5万円近い差額になるパターンもあるため、選択次第ではあるもののSIMフリーモデルよりもiPhone 16eを選ぶメリットが大きくなります。
iPhone 16 | iPhone 16e | 価格の差 | |
---|---|---|---|
128GB | 124,800円 | 99,800円 | 25,000円 |
256GB | 139,800円 | 114,800円 | 25,000円 |
512GB | 169,800円 | 144,800円 | 25,000円 |
iPhone 16 | iPhone 16e | 価格の差 | |
---|---|---|---|
128GB | 145,200円 | 109,780円 | 35,420円 |
256GB | 172,810円 | 139,920円 | 32,890円 |
512GB | 211,640円 | 179,960円 | 31,680円 |
iPhone 16 | iPhone 16e | 価格の差 | |
---|---|---|---|
128GB | 146,000円 | 112,800円 | 33,200円 |
256GB | 169,500円 | 129,800円 | 39,700円 |
512GB | 209,700円 | 162,800円 | 46,900円 |
iPhone 16 | iPhone 16e | 価格の差 | |
---|---|---|---|
128GB | 145,440円 | 110,016円 | 35,424円 |
256GB | 171,360円 | 126,432円 | 44,928円 |
512GB | 211,680円 | 158,544円 | 53,136円 |
iPhone 16 | iPhone 16e | 価格の差 | |
---|---|---|---|
128GB | 141,700円 | 104,800円 | 36,900円 |
256GB | 161,900円 | 120,500円 | 41,400円 |
512GB | 201,800円 | 153,800円 | 48,000円 |
性能の比較
現行シリーズよりも安価なモデルとして登場したiPhone 16e。
同じく廉価モデルであったiPhone SEシリーズは数世代前のモデルをベースとしており、最新モデルとの性能差は歴然としていましたが、最新のiPhone 16シリーズに組み込まれているiPhone 16eは、どの程度の性能を持つのでしょうか。
iPhone 16e | iPhone 16 | |
---|---|---|
チップ | A18 | A18 |
CPU | 6コア | 6コア |
GPU | 5コア | 4コア |
メモリ(RAM) | 8GB | 8GB |
iPhone 16eとiPhone 16の性能はほぼ同じ
電子機器を動かすために必要となる基幹的な部品を1つのチップの上に集約してパッケージ化したものをSoC(System On a Chip)といいます。
人間でいう脳にあたり、スマホの性能を決定づける重要なパーツです。
iPhoneは、多くのAndroidが搭載している汎用のチップではなく、AppleがiPhoneのために開発している独自のチップを搭載しています。
代を経るごとに高性能となっており、iPhone 16シリーズには最新のA18チップが搭載されました。
iPhone 16eに搭載されているのも、同じA18チップとなっています。
ただ、CPUやメモリも同じですが、GPUのコア数のみ異なります。
GPUは主に画像処理する行う装置で、映像の滑らかさや鮮やかさに影響してきます。
iPhone 16eのほうが1コア少なく劣ることになるのですが、それでも4コアあるため性能が低いということはありません。
この程度の差であれば、3D描写を伴うゲームなど高負荷の処理を求められるシーンでもないと、違いを実感するのは難しいのではないかと思われます。
ゲームをよくする人や映像美にこだわりのある人でなければ、iPhone 16eとiPhone 16の性能はほぼ同じといっていいでしょう。
機能・仕様の比較
iPhone 16eは価格を抑えたiPhone 16という立ち位置のモデルです。
最新シリーズの1モデルとはいいつつも、機能や仕様の一部は実装されておらず旧式となっています。
主なものを比較していきます。
iPhone 16e | iPhone 16 | |
---|---|---|
Apple Intelligence | Face ID(指紋認証) | Face ID(指紋認証) |
生体認証 | Face ID(顔認証) | Face ID(顔認証) |
Dynamic Island | なし(ノッチあり) | あり |
バックカメラ | メインのみ | メイン+超広角 |
アクションボタン | あり | あり |
カメラコントロール | なし | あり |
充電コネクタ | USB Type-C | USB Type-C |
Magsafe | 非対応 | 対応 |
Apple Intelligenceはどちらも対応
iPhone 16e、iPhone 16ともにApple Intelligenceに対応しています。
iPhone 16シリーズとしての特徴がApple Intelligenceです。
上でも説明しましたように、iPhone SE(第4世代)ではなくiPhone 16eとして登場したのは、このApple Intelligenceに対応することを強調する意味があったと考えられます。
iPhone 16eも対応するのはコンセプト上当然といえます。
生体認証はどちらもFace ID(顔認証)
iPhoneに搭載された生体認証はFace ID(顔認証)とTouch ID(指紋認証)の2種類です。
フラグシップモデルは、iPhone Xでホームボタンが廃止されて以降すべてFace ID(顔認証)が採用されています。
iPhone 16シリーズの一員であるiPhone 16eも例にもれずFace ID(顔認証)が採用されています。
ホームボタンがないのであれば当然といえそうですが、iPadではホームボタンの代わりにトップボタン(本体上側面の右側にあるボタン)を用いてTouch ID(指紋認証)を利用可能なため、iPhoneに採用される可能性もゼロとは言い切れません。
iPhone SEシリーズに代わるモデルとして、iPhone SEシリーズの特徴の1つであるTouch IDが継続されることも期待されていました。
実際に採用されたのはFace ID(顔認証)で、残念ながらこれによりTouch IDを持つiPhoneは現行モデルから姿を消したことになります。
iPhone 16eの画面上部は従来の切り欠き
iPhone XからiPhone 14までのモデルには、画面上部に特徴的な切り欠きがあります。
フルディスプレイとしながら、センサー類やカメラを搭載するためにどうしても非表示の領域が生まれてしまうものです。
長らくiPhoneを象徴するデザイン上の特徴といえるものでしたが、iPhone 14シリーズのProモデルからはDynamic Islandに変更されました。
Dynamic Islandとは、通知などの一部の機能において、フロントカメラやセンサー類を収めるためにどうしても生まれてしまう画面の非表示部分を、その周囲もうまく使うことで非表示部分があることを感じさせないようなリッチな画面表示を行う機能です。
最新のiPhone 15シリーズ、iPhone 16シリーズは全てのモデルにDynamic Islandが搭載されていますが、iPhone 14をベースとしているiPhone 16eには搭載されませんでした。
従来の切り欠きのあるデザインとなっています。
Dynamic Islandが登場したことで切り欠きが無くなったとされてはいますが、非表示となる範囲自体はそれなりに広く、面積としては切り欠きとそこまで変わりありません。
機能としては無いよりはいい程度のもので、搭載されていることで特別な恩恵がある機能ではないため、Dynamic Islandのないモデルからの乗り換えであれば欠点とはならないように思います。
ただ、ある意味「旧式」のiPhoneを示す記号ともいえるので、最新モデルを使用していることをアピールしたい人には向かないといえるかもしれません。
iPhone 16eはバックカメラが1眼に
iPhone X以降のフラグシップモデルは2眼構成です。
iPhone Xのみメインカメラと望遠カメラという組み合わせですが、iPhone 11シリーズ以降はメインカメラと超広角カメラの組み合わせとなっています。
iPhone 16eには超広角カメラがなく、メインカメラのみの1眼構成となっています。
現在の高い撮影能力を持つためには、高性能なカメラの搭載が必須です。
価格を抑える上でカメラを削るのは分かりやすく効果的な手法であり、iPhone SEシリーズも同様に1眼構成でした。
超広角カメラは、より広範囲をレンズに収めることが可能で、奥行きがあり迫力のある写真を撮影することができるようになるため、無い場合と比べて表現力に差が出ます。
撮影にこだわるユーザーには必須のカメラといえるかもしれませんが、撮影頻度が高くない、写真にそこまでのこだわりはないというユーザーであればメインカメラで十分かもしれません。
アクションボタンはどちらも搭載
アクションボタンはiPhone 15シリーズのProモデルから登場した機能です。
本体左側面の上部に設置され、消音ボタンと入れ替わる形で新設されました。
iPhone 16eのベースとなったiPhone 14の時点では登場していない機能ですが、iPhone 16eもアクションボタンが搭載されています。
アクションボタンは、ユーザーがその機能をカスタイマイズすることができるボタンです。
よく使うものの何回か操作が必要となる機能をアクションボタンに割り当てることで、ワンタッチでその機能を使うことができるようになり、iPhoneの利便性が向上します。
ユーザーの使い方次第ですが、あると便利な機能といえるはずです。
カメラコントロールはiPhone 16のみ
カメラコントロールはiPhone 16シリーズで登場した機能です。
iPhone右側面の下部に新たに設置されたボタンを用いて、カメラアプリをワンタッチで起動したり、ズームやカメラの切り替えなどの撮影時のツールを操作したりといったことができるようになります。
撮影の機会が多いユーザーや、設定を切り替えながら柔軟に撮影を楽しんでいるユーザーなどに重宝するでしょう。
iPhone 16eには残念ながら搭載されておらず、ボタンそのものがない状態です。
充電コネクタはどちらもUSB Type-Cに
iPhoneの充電コネクタの規格は、iPhone 15シリーズ以降USB Type-Cに統一されており、iPhone 16eもUSB Type-Cが採用されています。
iPhone 14シリーズまではAppleの独自規格であるLightningコネクタが採用されていましたが、EUでモバイル機器の充電コネクタをUSB Type-Cに統一するようにという法案が可決されたことで、Lightningでの販売継続が難しくなってしまいました。
そのためiPhone 16eは、iPhone 14をベースとしているとしても当時のLightningコネクタのまま発売することはできません。
変更もやむなしといえます。
とはいえ、USB Type-Cは、スマホをはじめとするモバイル機器全般のコネクタとして広く利用されているものですので、Apple製品以外では活用の機会も多くなるはずです。
Apple製品を多く使っていたユーザーであれば、Lightningコネクタを使う製品がまだ残っているかもしれませんが、いずれUSB Type-Cに切り替わるはずですので、良い変化となるはずです。
MagsafeはiPhone 16e対応せず
MagsafeはiPhone 12で登場したワイヤレス充電の規格です。
すでに登場から4年以上経過しており、iPhoneの機能としては珍しいものではありません。
しかし、iPhone 16eはMagsafeが対応しておらず、Qiワイヤレス充電に対応するのみです。
QiはMagsafeと異なるワイヤレス充電の規格で、ちょうどLignthingコネクタとUSB Type-Cコネクタのような関係になります。
最新のQi2はMagsafeの上位互換となっていますが、Qiは下位互換であり、マグネットを利用できないため位置調整が難しいなど課題も多かった規格です。
Magsafeアクセサリーを活用しているユーザーの場合、それらを利用できなくなってしまうため、iPhone 16eへの乗り換えはオススメできません。
これらのアクセサリ類を一新することと比べれば、25,000円の差は大きくないとも思いますので、素直にiPhone 16を選ぶ方がよいでしょう。
デザインの比較
iPhone 16eとiPhone 16の外見上の違いをまとめていきます。
Dynamic Islandや一部のボタンの有無、カメラの数など、機能に関わるものについては上でまとめているので、それらに紐づかない項目について触れていきます。
iPhone 16eのデザインはiPhone 14がベース
まず総括として、iPhone 16eのデザインがiPhone 14をベースとしていることに触れておきます。
あくまで廉価モデルであるiPhone 16eは、新たに開発されたものではなく、既存のパーツを調整・加工して作られています。
そのためデザインには元となったモデルがあり、同じ廉価モデルであるiPhone SEシリーズも、初代はiPhone 5s、第2世代、第3世代はiPhone 8をベースとしていました。
iPhone 16eの場合はiPhone 14がベースであるため、サイズ感や形状はほとんどiPhone 14と同じです。
変化としては、カメラが1眼になっていること、充電コネクタがUSB Type-Cになっていることが挙げられます。
iPhone 14からの乗り換えであれば、ほぼ違和感なく自然と使うことができるでしょう。
iPhone 16eのサイズ・重量
iPhone 12以降のiPhoneは、マイナーチェンジはあれど、iPhone 8からのiPhoneX、iPhone 11からのiPhone 12のようなフルモデルチェンジは行われていません。
そのためiPhone 14をベースとしたiPhone 16eとiPhone 16の間には、使用感に影響するような大きな違いはありません。
重量は中身のパーツの変化によって変動することがあるものの、この2モデルの場合は数グラムの差で、サイズは厚さが0.1mm薄くなっている程度の違いとなります。
iPhone 16e | iPhone 16 | |
---|---|---|
ディスプレイサイズ | 6.1インチ | 6.1インチ |
本体サイズ | 146.7mm x 71.5mm x 7.80mm | 147.6mm x 71.6mm x 7.80mm |
重量 | 167g | 170g |
iPhone 16eのカラー
近年のスタンダードモデルは、青系・緑系・黄系・ピンク系など複数のカラーが採用されており、カラフルなラインナップとなっています。
iPhone 16も、ウルトラマリン(青)・ティール(緑)・ピンク・ブラック・ホワイトと5色展開されています。
これに対しiPhone 16eは、ブラック・ホワイトとスタンダードなカラー2色のみとなっています。
他の色味を検討していたユーザーには、物足りない選択肢といえます。
iPhone 16e | iPhone 16 |
---|---|
ホワイト ブラック |
ウルトラマリン(青) ティール(緑) ピンク ホワイト ブラック |
カメラ性能・機能の比較
カメラの性能は、新シリーズの登場でほぼ確実にアップデートが入るため、iPhoneの世代間の違いとしてよく取り上げられます。
変化の程度は世代によって異なりますが、iPhone 14とiPhone 15では1200万画素が4800万画素まで引き上げられるなど、大きなアップデートが施されたモデルもあります。
上位モデルと下位モデルでほぼ確実に差が出る部分である一方で、下位モデルでも十分に高い性能を持つのも事実です。
特に今回比較するのはiPhone 16eとiPhone 16であり、カメラにこだわるのであればさらに上位のiPhone 16 Proを選ぶことが推奨されるため、カメラ性能の差はあまり決め手にならないかもしれません。
iPhone 16eには超広角カメラがない
すでに紹介したように、iPhone 16eにはカメラが1つしかなく、超広角カメラが搭載されていません。
広角カメラは、通常よりも広い範囲を撮影することができるカメラです。
全体を俯瞰することができるので、広大な風景を1枚の写真に収めたいときなどに活用できます。
ただ同じ大きさに広範囲の映像を収めるために遠近が本来よりゆがむため、湾曲した写真となることが欠点です。
超広角カメラは、広角カメラよりもさらに広範囲を撮影できるカメラです。
ズームの切り替えで「0.5x」に切り替わった状態で、超広角カメラを用いた撮影を行うことができます。
特徴がより強く表れた写真を撮影できるほか、近年のモデルの場合には接写(マクロ写真撮影)を行うことも可能となっています。
被写体の近くから撮影をしようとすると自動で切り替わるため、気づかず使用している人もいるかもしれません。
iPhone 16eにはこの超広角カメラがありません。
接写の機会が多い人には悩ましいところですが、ほぼ使っていないユーザーには影響がなく、使い方によって評価が分かれるポイントとなります。
メインカメラは同じ
iPhone 16eに搭載されているメインカメラは、iPhone 16と同じ4800万画素のFusionカメラです。
広角と望遠の両方に対応することができる2in1カメラとされており、2倍の光学ズームが可能です。
カメラがまるまる1つないとなると結構な差に感じられるかもしれませんが、特定の使い方をするカメラが搭載されなかっただけであり、通常使用するカメラは同じ高性能のものが使用されています。
iPhone 16eでは利用できない撮影機能がいくつかある
近年の新型iPhoneに搭載された本格的な写真・動画撮影を可能とする機能は、iPhone 16eでは利用することができません。
写真撮影では、上で紹介した超広角カメラを活用した撮影機能で、マクロ写真撮影、空間写真が該当します。
また動画撮影では、シネマティックモードやアクションモード、空間ビデオ撮影、マクロビデオ撮影が利用できなくなっています。
シネマティックモードやアクションモードは、撮影者や被写体が動きながら撮影をする場合には重宝する機能です。
「本格的な撮影」を意識していなくとも、活用していたユーザーは少なくないかもしれません。
動画撮影の機会が多い場合には、iPhone 16eでは物足りない可能性が高そうです。
バッテリーの比較
iPhone 16eとiPhone 16のバッテリー周りの比較です。
搭載されているバッテリーはiPhone 16eのほうが大きい
まず搭載されているバッテリー容量自体に大きな差があります。
カメラが1つ減っている分、本体内部のスペースを確保しやすいため、大型のバッテリーを搭載することができます。
結果として、iPhone 16eのバッテリーは、iPhone 16よりも10%以上も容量が大きくなっています。
公表されているバッテリー持続時間もiPhone 16より長く、ビデオ再生で3~4時間長く使えるなど、バッテリーの持ちに優れるモデルとなっています。
iPhone 16eの実働は短いもしれない?
カタログスペック上はiPhone 16eのほうが有利とされていますが、実際のバッテリーの持ちはそこまで良くないという検証結果もでているようです。
Web検索やゲームアプリ、動画視聴など、実際の使用時と同様の負荷を与えて検証を行うことができる「viSer App」というツールを用いて測定を行ったところ、iPhone 16を大きく下回る結果となったそうです。
本来のスペックは優れているはずなのに実測では逆転してしまうというのは、消費電力の効率が影響していると考えられます。
iPhone 16eのディスプレイは、ベースとなったiPhone 14のディスプレイを流用したものとされているため、iPhone 16と比べると型落ちの古いディスプレイということになります。
このような一部の旧式のパーツによる影響が、表れているのではないかと推測されます。
旧式パーツの影響を受けやすい特定の使い方をした場合に効率が悪くなると考えられますが、カタログスペックが優れているのは間違いありませんので、あくまで使い方次第ということになると思います。
ゲームや動画視聴など負荷の高い使い方が多いユーザーは、バッテリーの消費が早い可能性があると留意しておいた方がよいでしょう。
iPhone 16eは買うべき? どちらがオススメ?
これまでの比較を踏まえて、iPhone 16eとiPhone 16の評価をまとめたいと思います。
価格差はあまり大きくない
まず肝心の価格差についてです。
iPhone 16eは機能・性能を削って価格を抑えたモデルですから、iPhone 16eを選ぶことになるそもそもの理由は価格です。
価格に魅力がなければiPhone 16eを選ぶメリットがないことになってしまいます。
ではどの程度の差額があるのかというと、どのストレージ容量でも一律で25,000円となっています。
iPhone 16は最も安価な128GBのモデルで124,800円のため、iPhone 16を基準とすれば2割程度の値下げということになります。
25,000円は決して小さい額ではありませんが、割合で見ればそこまで大きな差でもなく、性能差次第で高額のiPhone 16を選ぶという判断は十分ありえる差額だといえます。
性能差はあまりないが、機能の差はそれなりにある
iPhone 16eとiPhone 16は、どちらも同じA18チップを搭載しており、同じ操作に関しては同等のパフォーマンスを発揮すると考えられます。
一方で機能には差があり、iPhone 16には利用できてiPhone 16eには利用できないことが複数あります。
絶対に欲しい機能はもちろん、あると嬉しい機能がいくつか該当する場合にも、iPhone 16を選んだ方が満足度は高いでしょう。
決め手になりうる大きな違いとしては、カメラ機能やMagsafeの対応あたりが該当しそうです。
iPhone 16でないと利用できない機能の使用を予定している場合には、iPhone 16を選ぶ必要があります。
アクションボタンやDynamic Islandなどは、搭載されていないからといってできなくなることがあるわけではありません。
利便性を上げる機能でしかなくなかなか必須とはなりづらいため、その差が25,000円に見合うかどうかを判断することになりそうです。
iPhone 16eは最新端末に見えない
スマートフォンは日常生活における必需品であり、肌身離さず持ち歩くものであります。
本体のカラーを何色にするか、ケースやカバーはどのようなモノを使うかといったアクセサリーとしての側面もあります。
そこには単なる好みだけでなく、周囲に見せたいという思いも少なからずあるのではないでしょうか。
特に新品のiPhoneは、今や最も安価なモノでも99,800円と10万円以上かかる高級品となりました。
それだけの費用をかけて購入するのであれば、最新端末を使っていることをアピールしたくなるものです。
ところがiPhone 16eは、デザインは2世代前のiPhone 14と同じです。
廉価モデルとはいえ最新のiPhone 16に匹敵する性能で、前世代のiPhone 15よりも優れているモデルのはずですが、外見は旧式なのです。
カメラが1眼なためiPhone 16eだと断定することはできますが、これも2眼のiPhoneに比べると少々頼りない印象でチープ感があります。
25,000円で高級モデルを使えると考えると、高額でもiPhone 16を選びやすくなるかもしれません。
まとめ
iPhone 16eとiPhone 16の比較をまとめていきました。
価格を抑えたとはいえさすがはiPhone 16ファミリー、iPhone 16と遜色ない高い性能を持っています。
iPhone SEシリーズのような大幅な価格差がない分、機能の差と価格差で対等に比較できるモデルといえるでしょう。
ぜひモデル選びの参考にしてもらえればと思います。
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